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医療事務の1日の流れ|受付からレセプト締めまで時系列で

医療事務の1日、開院前から締めまでの流れ|クリニック受付の女性スタッフ 仕事内容・一日の流れ
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【この記事を書いている人】
薬局で、医療事務さんの隣で働いてきました。未経験で入ってきた新人さんが仕事を覚えていく姿を、毎日見てきた立場です。

先に結論。医療事務の1日は「山」と「谷」でできている

医療事務の1日は、受付の「山」と書類の「谷」でできています。

山は9時と14時、診療が始まった直後に来ます。谷は16時台、患者さんが途切れたあとの30分。

だから「ずっと走りっぱなし」でも「ずっと暇」でもない。山では人をさばき、谷では数字を合わせる。この2つが両方できる人が、現場で長く残っていく。

この記事では、開院前の8:20から締めの17:30までを、時刻ごとに全部書きます。読み終わったとき、自分がその受付に立っている姿が想像できる状態を目指します。

1日の流れ(タイムテーブル)

時刻やること現場のひとこと
8:20出勤。制服、パソコン起動、予約表の確認ここで今日の「山」の高さが決まる
8:30朝礼。予約と検査の共有短い朝礼の医院ほど、動きが速い
9:00午前診療開始。受付の山最初の1時間は、電話も同時に来る
10:30診察の案内、カルテ準備待合室の空気を読む時間
12:00午前の受付を止める。待合室の片づけ最後の患者さんが帰るまでが午前
12:30昼休み午後の段取りを組む人と組まない人で差が出る
14:00午後診療開始。ふたたび受付午前と同じに見えて、患者さんの層が違う
15:30会計の確認、精算1円のズレを放置しない
16:30書類整理、翌日の準備、返信封筒谷の時間。事務の腕が出る
17:30締め。会計チェック、清掃、戸締まり今日のズレを明日に持ち越さない
月末〜翌月10日レセプトの作成と点検通常業務の上に載ってくる繁忙期

時刻はあくまで一例です。9時始まりのクリニックなら8:30出勤、18:30頃が終業の目安で、残業は比較的少なめというのが一般的な形になります(出典1)。

ただし、月末は例外です。ここだけは後で詳しく書きます。

8:20 開院前。まだ患者さんはいない

8:20、待合室には誰もいません。椅子も、受付のカウンターも、まだ静かです。

やることは決まっています。制服に着替えて、パソコンを立ち上げて、予約表を開く。問診票のストックを足して、釣り銭を確認して、今日の検査と処置の予定を頭に入れる。

この10分で「今日は何がある日か」を掴めるかどうか。資格の有無より、たぶんこっちのほうが現場で効きます。

受付は9時から始まります。でも、1日は8:20に始まっている。

9:00 受付の山

9時、扉が開きます。最初の1時間が、1日でいちばん濃い時間です。

保険証と診察券を受け取って、問診票を渡して、初めての方ならカルテを作って診察券を発行する。保険証の確認、紹介状の確認、公費の確認。同時に電話も鳴る。

順番に案内しながら、緊急度の高い方を先に通し、検査の予約を挟み、会計待ちの人を捌く。手は2本では足りないので、順番を頭の中で並べ替え続けることになります。

ここで必要なのは、愛想より段取りです。笑顔は大事ですが、笑顔だけでは列は短くなりません。

12:00 午前の受付を止める。待合室の片づけ

12:00。新しく来た方の受付は止めます。でも、診察中の患者さんはまだ中にいます。

最後の1人が会計を済ませて帰るまで、それが午前の終わりです。待合室の片づけをして、ようやく昼。

「12:00〜14:00が休憩」と書いてある記事は多くあります。ただ、12:00ちょうどに座れる日ばかりではない。ここは先に知っておいたほうがいいと思います。

昼休みに午後の段取りを組んでおくと、14時の山が少し低くなります。逆に、ここで何もしないと、14時に同じ景色をもう一度見ることになります。

14:00 午後診療。同じに見えて、違う

14時、午後診療が始まります。受付、案内、カルテ準備、会計。作業としては午前と同じです。

ただ、来る人が違います。午前は仕事前に駆け込む方が多く、午後は学校帰りのお子さん、付き添いのご家族、仕事を終えた方。待ち時間の許容も、聞かれることも変わります。

会計は、カルテと診療報酬点数表と保険証をもとに計算します。パソコンが自動で出した金額を、最後に人が確認する。この最終チェックを誰がやるかで、医院の信用が決まります。

1円のズレを放置しない。地味ですが、これが医療事務の芯の部分です。

16:30 谷の時間。ここが事務の腕の見せどころ

16時台、患者さんが途切れます。1日でいちばん静かな時間です。

やることは山ほどあります。書類の整理、翌日の準備、返信封筒、レセプトの下ごしらえ、業者とのやり取り、消耗品の在庫確認。

この30分を「休憩」に使うか、「明日の自分への仕込み」に使うか。ここで差が出ます。

午前中に走り回っていた人は、この時間に数字を合わせます。逆に、ここで机の上を片づけられないと、締めの時間が伸びます。

薬局には、他の医院の医療事務さんから電話や書類が届きます。そのやり取りで「仕事ができるな」と感じるのは、保険証や公費の確認が正確でこちらから聞き直さなくていい人と、患者さんへの伝え方が分かりやすい人です。どちらも、日々の積み重ねで身についていくものだと感じています。

17:30 締め。ここで差がつく

すべての会計が終わったら、締めです。現金とレジを合わせて、その日の会計を確認して、院内を清掃して、戸締まり。

一般的な目安は18:30頃の終業で、残業は比較的少なめです(出典1)。ただし、それは「締めが回っている医院」の話。

締めが長引く医院には、共通点があります。今日のズレを明日に持ち越すこと。会計の合わない1件を、明日の朝に回すこと。

逆に、締めが速い人は、16時台に戻って全部合わせています。締めの速さは、その日の働き方の答え合わせです。

月末から翌月10日は、別の1日になる

月末から翌月10日頃までは、通常業務に加えてレセプト業務が発生します(出典2)。

レセプトとは、医療機関が保険者に医療費を請求するための明細書のこと。この期間は、日中に終わらなかった作成と点検が、診療のあとに載ってきます。月でいちばん業務量が増える時期です。

ここで必要になるのが、算定ルールの理解です。傷病名と処置内容と薬剤が一致しているか、点数が正しいか。パソコンは作ってくれますが、正しいかどうかは判断してくれません。

医療事務の「専門性」は、たぶんこの部分に集まっています。受付や会計は慣れれば回ります。レセプトの点検は、覚えることが尽きません。

「1日の流れ」を知りたい人の多くは、この月末の景色をまだ見ていません。入る前に知っておくと、心の準備が変わります。

この月末の景色こそ、医療事務がきついと言われる理由の正体です。

紙カルテの医院で、いちばん違うところ

電子カルテの医院では、患者さんの情報は画面の中にあります。探すのも、参照するのも、クリック1つです。

紙カルテの医院では、これが物理の仕事になります。棚から探して、抜いて、診察室に運んで、戻す。同じ患者さんの前回の記録を、隣の棚から引っ張ってくる。

増えるのは、この「探す・運ぶ・戻す」の時間です。そのぶん、記録が目に見える。1枚めくれば、前回からの流れが全部そこに並んでいる。

紙カルテの医院は、覚えることが多いかわりに、全体が見えます。どちらが良い悪いではなく、向き不向きの話です。応募する前に、電子か紙かだけは確認しておくといいと思います。

電子か紙かだけでなく、職場による働き方の違いまで見ておくと、応募先を選び間違えません。

向いている人の条件

向き不向きは、性格ではなく「条件」で決まります。

向いている人

  • 手順を守れる人。決められた順番を、面倒でも同じようにやれる人
  • 同時に何本も抱えても、順番を戻せる人
  • 数字が合わないのを、放置できない人
  • 待たせている人に、先に一言かけられる人

きつくなりやすい人

  • 1人で黙々と進めたい人。受付は、常に割り込みが入ります
  • 確認を「面倒」と感じる人
  • 決まった時間に必ず終わりたい人。月末は崩れます

気をつけてほしいのは、2つ目の「きつくなりやすい人」に当てはまる=向いていない、ではないこと。確認の仕組みを作れば、たいていは乗り越えられます。

長く続いている事務さんに共通していたのは、分からないことをその場ですぐ聞くことと、メモを取って自分で見直すことでした。受付は、待たせている患者さんから急かされる場面があります。それでも手が乱れず、落ち着いていられる人は、見ていて安心できます。最初から全部できる人はいません。続いている人は、分からないままにしない人でした。

で、資格はいるのか

結論から言うと、医療事務として働くうえで必須となる資格はありません(出典3)。「資格・経験不問」の求人も多数あります(出典1)。無資格・未経験でも就ける職業です。

ただ、ここで話が終わると、この記事は嘘になります。

無資格で応募できる求人は、間口が広いぶん、応募が集まりやすい。つまり競争率が高くなります(出典3)。同じ求人に、資格を持った人と持っていない人が並んで応募する。

私が見てきた新人さんが、最初の1か月で困っていたのは、入力の操作、薬や病名の言葉、保険証と公費の確認でした。どれも現場で覚えていくものですが、少し先に知っておくと、最初のつまずきが減ります。

だから資格の意味は「応募できるようにする」ではなく、「同じ求人の中で前に出る」にあります。実際、資格手当が付くケースもあります(出典3)。

資格を取るなら、どこで取るかで結果が変わります。日本医療事務協会の評判は、実際の受講者の声まで含めて検証しました。

1日の流れを読んで「これなら自分でも回せそう」と思えたなら、次に考えるのは順番です。先に1日の解像度を上げて、そのうえで資格をどうするか。

資格の講座を選ぶときは、受講料と、就職までのサポートがあるかを並べて見ておくといいと思います。(PR)
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医療事務専門校「日本医療事務協会」

なお、待遇の目安として、dodaのデータでは医療事務の平均年収は294万円(2023年9月〜2024年8月のデータ)という数字があります(出典1)。データが少し前なので、実際に応募するときは、求人票の金額で確認するのが確実です。

明日、自分の手で確かめること

気になっている医院の採用ページを1つ開いて、「受付開始の10分前に、何をすると書いてあるか」を探してみてください。

それが「清掃」とだけ書いてある医院と、「予約確認まで」と書いてある医院では、1日の始まりがまったく違います。

明日、自分の手で確かめてみてください。

出典

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